NPO野菜と文化のフォーラムは今年度23年目の活動に入ります。1988年3月、設立に関わった栗山尚志さんが今年3月末、高齢で退会されました。故江澤正平さんと創立趣旨を起草し、2002年5月13日NPOという新しい法人設立移行にも努力されました。心からの感謝をささげたいと思います。
1980年代は日本型食生活の推進、生鮮食品流通改革などで、ようやく野菜の位置が見直され、話題性が広がった時代でした。そこで、1988年創立宣言以来、(1)『安全でおいしい野菜』、(2)『適切な用途と調理法』を一貫して掲げて活動してきました。
この間、世の中は大きく変貌してきました。なにより、創立期以後、バブル経済の最中で、野菜は輸入品も含めて多様化と日常の生活と健康に不可欠と認識される時代に入りました。私たちの活動は、野菜の食べ比べ、野菜の生産現場との交流、有楽町西武店での「フラッグショップ」の試験販売、関係者参加の大型シンポジウムの開催による啓発活動などを進めました。
2002年5月13日、NPO組織に移行して、従来の自由なサロンから、責任をもった社会的公共的活動に進み、今日に至っております。4年間にわたった「野菜のおいしさ委員会」(農林水産省補助事業)は昨年3月終了しました。その活動成果は、『野菜のおいしさ検討部会報告書』として公表配布しました。
一方、昨年度は異常気象の連続で、野菜の豊凶が激しく、その生産流通が新たな観点から見直されました。そして、年度末3月11日。未曾有の東日本大震災と福島原発事故を経験しました。災害は多くの生命を奪い、豊かな自然と生活の営みを奪いました。会員諸氏も多くの災禍に遭遇しました。改めてお見舞い申し上げます。どうか希望を失わず立ち直って下さりますよう、お願い申し上げます。
さて今年度の活動の重点について、主な活動を列挙します。
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「野菜のおいしさ、安全な野菜、伝統的野菜と文化の関係追求」
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「野菜の学校」
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「作物フォーラムと有名野菜品種特性研究会」
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「地方野菜視察研究会と先進地見学会」
昨年実施した植物工場研修会とカット野菜工場研修会の成果は、今後の「おいしさ野菜研究会」の成果と合わせ、重点活動に生かします。
当フォーラムは新年度も、従来以上にこれらの事業を展開し、会員相互の期待に応えたいと思います。またNPO組織として定例理事会を充実し、会員拡大に努力します。一層の活動参加を期待します。
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