タイトル<野菜の学校>
● 2008年度「野菜の学校」 ●
- 2009年2月授業のレポート -
開催日: 2009年2月7日(土) 会場:東京都青果物商業協同組合会議室

◆テーマ野菜:コマツナ

◆旬野菜:青菜

【講義】
(1)
青菜とは?/コマツナ概要
(株)日本農林社 阿見開発センター 
串橋 研吾氏
(2)
市場情報、出品品目紹介
東京青果(株) 澤田勇治氏
(3)
保存、栄養、調理
料理研究家 上原悠子氏
【講義より】
まず、「青菜とは?」という定義をめぐってのお話がありました。「葉柄を含む主に葉を食す青菜」「茎を含む花蕾を食す青菜」「茎を含む芯芽を食す青菜」に分類され、アブラナ科からアカザ科、キク科、セリ科、シナノキ科、マメ科、ツルムラサキ科、ヒルガオ科、ユリ科に及ぶ広範囲の野菜が含まれることを学びました。
コマツナの名前の由来や生育など、概要についてもお話いただき、充実した講義内容でした。また、ベランダ園芸でコマツナが育てられる実例として、プランターに植えたコマツナまでお持ちくださいました。
【食べ比べ】コマツナ7品目を試食しました/茹で(7)、生(7)、調理(4)

青菜の中からコマツナを取り上げ、食べ比べをしました。露地、ハウス、水耕、こだわり、伝統的品種などを揃えました。「茹で」と「生」で実施したところ、「茹で」はポピュラーな食べ方でしたが、「生」ではほとんど食べられていないようで、一部の方に「生食の提案」と受け取られてしまいました。コマツナはホウレンソウなどと比較するとアクが少ないため、生食にも適しています。「生」で食べたときの味も違いがあるのかどうか、食べ比べで確認しました。

1,露地(東京)
2,ハウス(東京)
3,ちぢみ(茨城)
4,水耕(千葉)
1は露地物で産地は東京、根付き。2はハウス、根付き。講義の中で、「コマツナは根まで商品となるぜいたくな野菜」とありました。3は冬期限定、露地栽培のちぢみコマツナ。ちぢみホウレンソウほど縮れてはいませんでした。品種は、縮み霜降り。4はコマツナではめずらしい水耕栽培。生食を目的として栽培されており、品種は楽天。
5,江戸(東京)
6,有機栽培(山形)
7,固定種(埼玉)
5は東京葛飾産、品種は「後関晩生」、江戸の伝統野菜。6は山形の井上農場から、有機栽培のわかみ。7は小野地さんにお持ちいただいた、関野幸生氏栽培の早生丸葉コマツナ。
左の写真は、1〜7までのコマツナの葉を並べて比較したものです。食べ比べの感想では、出身地によってコマツナになじみの薄い人もいて、全国区へと広がっている野菜といわれていますが、今一歩という思いがしました。
左から1〜7のコマツナの葉
今回は、茹でや生食のみでは味気ないので、簡単に作れてたくさん食べられる料理も紹介しました。ナムル、塩炒め、じぶ煮、キッシュの4種類。じぶ煮は鶏肉をちょっと濃いめの出しで煮て、コマツナをたくさん入れました。みなさんモリモリ食べてくださって、用意したコマツナがあっという間になくなりました。キッシュは先回のホウレンソウの料理で紹介した、春巻きを使った焼き物を簡素化したコマツナ編。コマツナと乳製品がよくあって好評でした。また、宇田川さん特製のキムチも登場。コマツナのシャキシャキ感がよく、とてもおいしいキムチでした。
ナムル
塩炒め
じぶ煮
キッシュ
キムチ
【旬野菜:青菜いろいろ】12種展示、試食 茹で(3)、生(5)
A:かき菜(栃木)、B:京水菜(京都)、C:壬生菜(京都)、D:千筋水菜(京都)、E:水菜(茨城)、F:菜花(徳島)、G:花菜(京都)、H:オータムポエム(香川)、I:わさび菜(茨城)、J:のらぼう菜、K:べか菜、L:紅菜苔。まだまだ市場には多くの種類の青菜がありますが、今回は以上です。
A,かき菜
B,京水菜
C,壬生菜
D,千筋水菜
H,オータムポエム
 
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