【提案料理名・供試トマト品種・提供会社】 |
トマトの多様な料理試食検討会提案メニュー
試食順
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料理名
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使用トマト品種
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提案会社
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A. 生食用と調理用品種の適正
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1
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ブルスケッタ
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ハウス桃太郎(桃色)
桃太郎ゴールド(黄色)
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タキイ種苗(株)
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スナックトマト(赤色)
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カゴメ(株)
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にたきこま(赤色・欠品)
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(独)農業技術研究機構
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2
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トマトのステーキ
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ハウス桃太郎(桃色)
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タキイ種苗(株)
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麗容(桃色)
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(株)サカタのタネ
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こくみラウンド(赤色)
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カゴメ(株)
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B. 和食
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3
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トマト田楽
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ハウス桃太郎(桃色)
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タキイ種苗(株)
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4
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トマトおでん
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麗容(桃色)
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(株)サカタのタネ
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5
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トマトの味噌汁
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こくみミディ(赤色)
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カゴメ(株)
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6
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トマトと卵の炒め物
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高リコピントマト(赤色)
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カゴメ(株)
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C. 洋食
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7
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フレッシュトマトのスパゲティ
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レッドオーレ(赤色)
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カネコ種苗(株)
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8
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鶏とトマトのチーズ蒸し
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至福(桃色)
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カネコ種苗(株)
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9
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トマト鍋
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シシリアンルージュ(赤色)
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パイオニアエコサイエンス(株)
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10
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トマトソース
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ハウス桃太郎(桃色)
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タキイ種苗(株)
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レッドオーレ(赤色)
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カネコ種苗(株)
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11
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トマトソースリゾット
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ハウス桃太郎(桃色)
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タキイ種苗(株)
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12
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トマトのコンポート
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こくみプラム(赤色)
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カゴメ(株)
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D. 試食
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13
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生食
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トマトベリー(赤色)
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トキタ種苗(株)
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ドライトマト
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アイコ(赤色)
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(株)サカタのタネ
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【トマト調理レシピと供試品種】 |
1 ブルスケッタ(ハウス桃太郎+桃太郎ゴールド),(スナックトマト)
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(材料)15個分 |
トマト 400g・バジル 5〜6枚・EVオリーブオイル 50cc |
塩、胡椒 各少々・バケット(薄切り) 15枚・にんにく 適量 |
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(作り方) |
- トマトは湯むきをして横半分に切り、5mm角位のサイコロ大の大きさに切りボールに入れ、塩・胡椒をして味を整える。バジルの葉を手でちぎり入れ、EVオリーブオイル・にんにくのみじん切りを加え混ぜ合わせる。(油とトマトの水分がよく馴染むようにする)
- こんがり焼いたバケットの表面ににんにくの切り口を擦り香りを付ける。1をのせる。
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2 トマトのステーキ(ハウス桃太郎)、(麗容)、(こくみラウンド)
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(材料)2人分 |
トマト(S) 2個 |
にんにく 1かけ |
EVオリーブオイル 大さじ1 |
フルールドセル(粗塩)・粗黒胡椒 各適量 |
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(作り方) |
- トマトはへたを取り横半分に切る。にんにくはつぶす。
- フライパンにオリーブオイルとにんにくを入れ弱火にかけ、切り口を上にして並べいれ粗塩・粗黒胡椒振り焼く。
- 皮がしなっときたら裏返し、焼き付けるようにして両面焼き上げる。器に盛り、さらに粗塩・粗黒胡椒を振る。
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3 トマト田楽(ハウス桃太郎)
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(材料) |
トマト(M) 1個 |
玉味噌:A(西京味噌 150g・練胡麻(白) 50g・酒、味醂 各大さじ11/3・砂糖 大さじ1・卵黄 1個) |
サラダオイル 少々 |
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(作り方) |
- トマトはへたを取り横1cmの厚さに輪切りにする。
- Aの材料をボールに全て入れ合わせ混ぜる。
- 1に2を大さじ11/2塗り、サラダオイルを塗ったバットの上にのせ、オーブントースター又は魚焼きグリルで5分ほど焼く。
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4 トマトおでん(麗容)
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(材料)5人分 |
トマト(M) 5個 |
さつま揚げ 50g |
だし 1リットル・塩 小さじ1・薄口醤油 小さじ1・ |
酒大さじ4・味醂 大さじ1強・砂糖 小さじ2強 |
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(作り方) |
- トマトは湯むきをする。さつま揚げは適当な大きさに切る。
- 鍋にだしと調味料を入れ煮立てる。1を加え10〜15分煮て味を含ませる。
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5 トマトの味噌汁(こくみミディー)
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(材料)2人分 |
トマト 2個・油あげ、浅月、練り辛子 各適量・だし 300cc・赤味噌 大さじ1強 |
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(作り方) |
- トマトはへたを取り、油揚げは湯どうしをして細く切る。
- 鍋にだしを入れ火にかける。1を入れ温め味噌を溶き入れる。小口切りにした浅月を振り、お好みで練り辛子を入れる。
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6 トマトと卵の炒め物(高リコピントマト)
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(材料)2人分 |
トマト 2個 |
卵 4個 |
塩、胡椒 各少々 |
サラダオイル 大さじ4 |
胡麻油 少々 |
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(作り方) |
- トマトは湯むきして6等分のくし型にカットする。中華鍋に大さじ1の油入れ、軽く炒め器に取り出す。
- ボールに卵を入れ塩・胡椒を加え混ぜ合わせる。
- 中華鍋に油を大さじ3入れ熱して2を加えふんわりと軽くかき混ぜながら炒める。トマトを加え軽く混ぜ合わせ、ごま油を加え仕上げる。
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7 フレッシュトマトのスパゲッティー(レッドオーレ)
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(材料)2人分 |
トマト 460g |
バジル 4枚・にんにく 4かけ |
オリーブオイル 大さじ4・塩 適宜 |
スパゲッティー(乾麺) 160g |
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(作り方) |
- 湯むきしたトマトをざく切りにする。
- フライパンに、潰したにんにく・オリーブオイルを入れ弱火にかけ、にんにくの香りでたら、1のトマトを加え強火にして塩を振り、軽くトマトを潰しながら炒め、煮詰める。
- 2に茹で上げたスパゲッティーを加えからめる。手でちぎったバジルをお好みの量を加え手早く混ぜる。
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8 鶏とトマトのチーズ蒸し(至福)
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(材料)4人分 |
トマト 2個 |
鶏もも肉 1枚 |
モッツァレラチーズ 50g |
サラダオイル 小さじ1・バジル 4枚 |
塩 小さじ1/4・粗挽き黒胡椒 少々 |
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(作り方) |
- トマトはへたを取り、4等分のくし形に切る。鶏肉はひと口大に切り、塩・胡椒で下味をつける。チーズは適当な大きさにちぎる。
- フライパンにサラダオイルを入れ熱し、鶏肉の皮目を下にして入れ、中火で焼く、上下を返して両面きつね色に焼く。皮目を下にする。
- 2の中にトマト・チーズ・バジルを入れ、塩・胡椒を振りふたをして7〜8分蒸し焼きにする。汁ごと器に盛る。
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9 トマト鍋(シシリアンルージュ)
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(材料)6人分 |
シシリアンルージュ 300〜500g |
海老 6本・帆立 6粒・烏賊 1杯 |
オリーブオイル 大さじ4 |
にんにく 1かけ・鷹の爪 1本・塩 適量 |
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(作り方) |
- 鍋にオリ−ブオイル、にんにく、鷹の爪を入れ加熱し、湯むきしたシシリアンルージュを鍋の全面に敷き詰め煮る。塩で味を整える。
- 1のカットした魚介類を加え火が入るまで煮る。
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10 トマトソース(ハウス桃太郎)、(レッドオーレ)
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(材料) |
トマト 300g・玉葱 30g・にんにく 1かけ・バター 20g・塩 1g |
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(作り方) |
- トマトは皮を湯むきして、横2つに切り、種と水を除き粗切りにする。
- 鍋にバターを入れ溶かし。みじん切りにしたにんにくを入れ軽く炒める。更にみじん切りした玉葱を加え透明になるまで炒める。1のトマトを加えあおり混ぜ、塩を振り混ぜ弱火で20〜25分煮込む。
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11 トマトソースリゾット(ハウス桃太郎)
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(材料) |
10のトマトソース 適量 |
ブイヨン 適宜 |
ご飯 適量 |
パルメザンチーズ 適量 |
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(作り方) |
- 炊き上がったご飯を水で洗い、水気を取る。
- 10のトマトソースにブイヨンとご飯を入れ軽く煮込みパルメザンチーズを振り混ぜ味を整える。
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12 トマトのコンポート(こくみプラム)
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(材料) |
こくみトマト 1パック・砂糖 大さじ4・白ワイン100cc・水100cc |
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(作り方) |
- トマトはへたを取り、湯むきをする。
- 鍋に砂糖・白ワイン・水を入れ火にかけ砂糖が溶けたら1を入れ1〜2分煮、そのまま冷し、冷めたら冷蔵庫にいれる。
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|
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【試食会】 |
上述の13品目でのトマト試食会が行われた。各種苗会社から提供していただいたトマトを使用し、和・洋・中、前菜からデザートに至るまでバラエティに富んだ料理がテーブルを賑わせた。
和食でトマトを食する機会はあまりないが、トマト田楽、味噌汁やおでんは意外と相性がよかった。また、パスタ料理に使用するトマトソースは品種により「コク」や「甘味」、「色彩」、「風味」、「酸味」などの違いが出ること、肉や魚介類と煮込む料理にすると非常に「うま味」が出ること、トマトに他の食材が加わることで食卓がバラエティ豊かになりうることを実感した。
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【品種紹介と質疑応答】 |
トマトを提供いただいた各種苗会社担当者から、フォーラムで使用した品種の紹介があった。
- トマトでアレルギーを起こす場合があることについて→育種選抜によって除去できる
- 加熱調理用トマトとしての青果は価格が高すぎる→低コスト化、ホールトマトと青果の混用利用、裂果などや出荷規格外品の利用、過剰生産による生産調整と貯蔵技術
- その他 介護・病院食として元気づけるメニュー。
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【トマトフォーラムアンケート結果】 |
トマトフォーラムアンケート集計
トマトフォーラム
アンケート集計
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年代
|
女性 |
男性 |
男女
|
20代
|
30代
|
40代 |
50代 |
60代 |
70代 |
80代 |
不明 |
総・名 |
総・名 |
総合
計・名
|
|
11
|
16
|
17
|
19
|
15
|
15
|
3
|
4
|
41
|
59
|
100
|
Q.あなたはトマトを加熱して食べていますか
|
いいえ
|
2
|
6
|
4
|
7
|
3
|
4
|
1
|
2
|
6
|
23
|
29
|
はい
|
9
|
10
|
6
|
12
|
10
|
10
|
2
|
2
|
34
|
27
|
61
|
毎日
|
0
|
0
|
0
|
0
|
1
|
1
|
0
|
0
|
1
|
1
|
2
|
※週に何回
|
10
|
9
|
10
|
16
|
10
|
6
|
4
|
0
|
38
|
27
|
65
|
その他
|
4
|
2
|
1
|
3
|
6
|
2
|
0
|
2
|
11
|
9
|
20
|
Q.生食用トマトと加熱用トマトの比較
|
1.ブルスケッタ
|
はっきり違う
|
6
|
10
|
4
|
11
|
7
|
5
|
2
|
3
|
21
|
27
|
48
|
余り違わない
|
3
|
4
|
5
|
6
|
5
|
4
|
1
|
1
|
10
|
19
|
29
|
その他
|
0
|
1
|
0
|
1
|
1
|
0
|
0
|
0
|
1
|
2
|
3
|
2.トマトのステーキ
|
はっきり違う
|
6
|
12
|
9
|
13
|
9
|
9
|
2
|
2
|
25
|
37
|
62
|
余り違わない
|
3
|
2
|
1
|
2
|
4
|
1
|
0
|
1
|
7
|
7
|
14
|
その他
|
1
|
0
|
0
|
1
|
0
|
0
|
0
|
0
|
0
|
2
|
2
|
Q.12種の料理の内、美味しかったもの、作ってみようと思うもの(複数回答)
|
1.ブルスケッタ
|
2
|
8
|
5
|
4
|
3
|
5
|
2
|
3
|
14
|
18
|
32
|
2.トマトのステーキ
|
1
|
0
|
0
|
2
|
2
|
2
|
3
|
2
|
7
|
5
|
12
|
3.トマトの田楽
|
1
|
7
|
5
|
8
|
5
|
9
|
2
|
3
|
19
|
21
|
40
|
4.トマトのおでん
|
2
|
2
|
2
|
1
|
3
|
3
|
1
|
2
|
8
|
6
|
14
|
5.トマトのみそ汁
|
0
|
1
|
2
|
4
|
0
|
4
|
0
|
1
|
8
|
4
|
12
|
6.トマトと卵の炒め物
|
2
|
8
|
2
|
6
|
6
|
8
|
3
|
3
|
19
|
19
|
38
|
7.生トマトのスパゲッティ
|
6
|
4
|
10
|
9
|
8
|
7
|
2
|
3
|
25
|
24
|
49
|
8.鶏肉とトマトのチーズ蒸し
|
7
|
6
|
3
|
6
|
5
|
2
|
2
|
1
|
12
|
20
|
32
|
9.トマト鍋
|
11
|
11
|
8
|
14
|
12
|
10
|
2
|
3
|
28
|
43
|
71
|
10.トマトソース
|
6
|
3
|
5
|
3
|
5
|
5
|
0
|
1
|
11
|
11
|
22
|
11.リゾット
|
5
|
3
|
2
|
5
|
7
|
3
|
0
|
1
|
10
|
16
|
26
|
12.トマトのコンポート
|
5
|
3
|
8
|
4
|
4
|
3
|
2
|
3
|
13
|
19
|
32
|
Q.今後トマトの加熱料理をしようと思いますか
|
しようと思う
|
11
|
13
|
9
|
17
|
14
|
13
|
3
|
4
|
39
|
45
|
84
|
しようと思わない
|
0
|
2
|
2
|
0
|
1
|
1
|
0
|
0
|
1
|
5
|
6
|
※人数ではなく回数の合計。回答者は20歳代4,30歳代5,40歳代7,50歳代7,60歳代3,70歳代5,80歳代2、合計34名の複数回答
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【総括】 |
今回のトマトは、詳細に検討して加熱調理に適した品種ばかりを取り上げたものではなく、調理用として協力会社のご厚意によって提供いただいたサンプルを振り分けたものであることをまずお伝えしなくてはならない。
試食会は、まず生食用(多くの桃色系トマト)と加熱用(主に赤色系トマト・中果)との食べ比べから始まり、生食でも差がみられ、加熱されると大差が見られた。加熱料理では生食用より、加熱用が概して高く評価された。そのなかにあって、トマト鍋について使用された品種は、特にクッキングトマトとして育成された品種で、どなたからもおしいと高く評価された。
調理加熱用トマトには他の食材と合わさることによりうま味が増幅されることから、成分(水分量や酸味、アミノ酸など)、高色素、均質な肉質、サイズなど生食用トマトとは違った品質が求められよう。
近年野菜のおいしさについて、調理加熱すると品種個々の用途別適性が指摘され始めているが、その事がまさに証明されたような結果がみられた。
今回のフォーラムで特徴的な事は、多様な調理を一度に試食できたため、参加者夫々の立場でトマト調理についてのヒントが得られたようで、多くの方から参考になったと言われたことである。
今回のフォーラムに当たり、サンプルの提供をいただきました種苗会社各位、および調理開発にご協力いただきました松柏軒各位に対して、深く感謝の意を表します。
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