◆天王寺蕪(てんのうじかぶら) <アブラナ科>
蕪の原産地はヨーロッパ西南部といわれるが、アフガニスタンからヨーロッパに伝わったという説もある。天王寺蕪は天王寺付近が発祥とされており、地上部に根身が浮き上がるため「天王寺浮き蕪」とも呼ばれる。根は平たい球形の白蕪で、甘みがある。葉は60cmと長く、毛じがなく、切れ葉と丸葉がある。江戸時代の初め、干し蕪が名物となり、中頃にはさらに粕漬けが有名になった。
肉質が緻密でしまっているので、煮くずれしにくい。生食、漬けもののほか、ふろふきなどの煮ものや蕪蒸し、汁物、ステーキなどにも。葉はやわらく、ゆでたり、煮たりして食べる。皮、葉も捨てることなくこんぶと塩で浅漬けにしたのが「大阪漬け」で、大阪人の「しまつ」の現れた料理ともいわれる。
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