タイトル<野菜の学校>
● 2011年度「野菜の学校」 ●
- 2012年3月修了式のレポート -
【大澤敬之校長の話】

「野菜をめぐる情勢」

大澤敬之校長

 野菜の産出額は平成22年統計で2.2兆円で、平成10年以降、米を上回っています。ここ数年は横ばいで推移していましたが、平成22年は価格の上昇によって増額しました。農家の野菜作付面積、生産量共に漸減する傾向にあり、現在約44万ha、1,200万トンで、野菜生産は農業所得で生計を立てる主業農家によって担われています。野菜作は稲作に比べて所得は約8倍ですが、労働時間も約5倍にのぼります。


大澤敬之校長

 野菜の流通経路は、産地から卸売市場、小売店を経由して消費者に届く流れが73、8%と主流。ただ野菜需要は、カット野菜などの加工用、外食・中食などの業務用需要が55%と過半を占めています。

 輸入状況を見ると、中国からの輸入が過半を占め、平成17年頃から減少傾向にあった中国野菜の輸入量が平成22年以降増加傾向に。中国からはたまねぎを筆頭に、さまざまな野菜が輸入されており、米国からは冷凍ばれいしょが中心です。

 家庭消費はほとんど国内生産の野菜ですが、加工・業務用は約3割が輸入野菜。これを供給側から見ると、国内生産の半分強が家庭消費、半分弱が加工・業務用、輸入野菜の大半は加工・業務用と推計されます。

 一方、野菜の消費量は減少傾向にあり、1人年間88kg。すべての世代で野菜摂取目標量1日350gを下回り、特に若年層で不足しています。

 これまでも、野菜の生産、流通、消費をめぐる事情の変化に対応した制度の改正などが行われてきましたが、今後さらに、指定野菜・特定野菜の生産者に対する支援強化、需給安定のための支援強化が望まれます。

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