タイトル<野菜の学校>
● 2011年度「野菜の学校」 ●
- 2012年3月修了式のレポート -
 今期は、昨期に続いて「日本の伝統野菜・地方野菜」をテーマに、毎月、一地方の、できるだけその時期の伝統野菜・地方野菜を取り上げてきました。4月の熊本(ひご)からスタートし、5月奈良(大和)、6月愛知、7月長野(信州)、9月兵庫、10月鹿児島、11月宮城、12月滋賀、2月宮崎と、各地の貴重な野菜に出合いました。一般にはあまり知られていない地方もありましたが、これからの方向性を探る熱心な取り組みが多く、受講生・スタッフとも得るものが多い一年でした。無事に修了式を迎えられたことをご報告するとともに、関係各位にこの場を借りてお礼申し上げます。
開催日:

2012年3月3日(土)

会場:

東京都青果物商業協同組合会議室

修了式次第:

記念講演:東北大学農学部非常勤講師・元石巻北高等学校校長 佐々木 寿氏
挨拶・修了証授与:大澤敬之校長
ベジタブルパーティ&受講生交流会

 会場は、当日のひな祭りのイメージで、大きなセンターテーブルに、毎年の修了式恒例になっている野菜のアレンジメント、今期取り上げた各地の伝統野菜の加工品・スイーツ、スタッフ手作りのベジタブルスイーツなどがにぎやかに並びました。

 修了式は、大澤敬之校長の挨拶と野菜をめぐる昨今の情勢についての話から始まり、昨年3月11日の東日本大震災の被災地・宮城県からはるばる駆けつけてくださった東北大学農学部非常勤講師・佐々木寿氏の記念講演と続きました。そして、大澤校長により、26名の修了証授与(8回以上出席)。修了者の内10名は皆勤賞(全10回出席)で、野菜の新鮮な色と味わいを生かしたピクルスを副賞としました。

 その後、ベジタブルパーティに移り、伝統野菜の加工品・スイーツなどを味わいながら受講生の交流を深めました。

【大澤敬之校長の話】

「野菜をめぐる情勢」

大澤敬之校長

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【記念講演】

「地大根が語る東北の食風土」

東北大学農学部非常勤講師・元石巻北高等学校校長
佐々木 寿(ささき ひさし)氏

 佐々木氏は、昨春、宮城県立石巻北高等学校校長を退職。長年、農業教育に携わる中で、著名な農学者である青葉高博士との親交、在来野菜、殊に近隣の小瀬菜大根との出合いから、いわゆる「地だいこん」の研究を重ねてこられました。産地との交流はもとより、大根の食文化としての底力を発掘。活動は東北から日本各地、海外にまで及びます。野菜と文化のフォーラム創設の大きな柱となった故・江澤正平氏ともかつて交流があったそうです。『まるごと楽しむダイコン百科』『東北ダイコン風土誌』などの著書の他、農業、野菜、教育関連の執筆多数。

[講演の前に、昨年3月11日、ご自身が被災された時の様子、同僚や幾人もの教え子、そのご家族の方たちが大津波の犠牲になられたというお話がありました。それ以降、言葉を失うほどの、あまりに多くの心が痛む事態を見聞なさったそうです。]

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【ベジタブルパーティ】
伝統野菜加工品・スイーツ
 伝統野菜・地方野菜を未来につなげていくためには、生産・流通・消費の輪を回す仕組みを作っていかなければなりません。その一つが、伝統野菜を使った加工品。伝統野菜はとかく収穫できる期間が短いものですが、加工品に使うことで、消費も増え、他の季節でも味わうことができます。
 今期は、そうした取り組みもまだこれからの地域が多かったのですが、各月のテーマ地域から1品ずつ、以下の加工品・スイーツを取り寄せました。
  • 熊本:ひご野菜コロッケ
  • 奈良:干し柿チップス
  • 愛知: 碧南鮮紅(へきなんせんこう)五寸人参スコーン
  • 長野:野沢菜ディップ
  • 兵庫:黒さや大納言羊羹
  • 鹿児島:紫山芋のテリーヌ(スタッフ手作り)
  • 宮城:仙台マコロン
  • 滋賀:堅ボーロ
  • 宮崎:日向夏羊羹
  • (スタッフ手作り:サトイモだんご 白みそ風味)

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【受講生のスピーチ】
 お茶と伝統野菜スイーツでしばし歓談の後、恒例の自己紹介を兼ねた一人ひとりのスピーチで、さらに交流を深めました。いくつかのスピーチをご紹介しましょう。

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☆ ☆ ☆

 野菜の学校では、この2年間、「伝統野菜・地方野菜」をテーマに開催してきましたが、来期もさらに、これまで紹介できなかった地方に取り組んでいきます。また、お目にかかりましよう。

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