●「有名野菜品種特性研究会(中玉トマト)」報告●
【アンケート結果のまとめ】
 アンケートへの回答者は36名であった。「本日の講演会のご感想は?」に対する回答では、「大変よかった」が6名、「よかった」が20名、「ふつう」が7名、「つまらなかった」が3名であった。
1.本研究会に対する感想など
 本研究会を「大変よかった」、「よかった」及び「ふつう」とした感想には、<トマト全般ではなく、中玉トマトに的をしぼったのが良かった。中玉トマトの生食用としての現状と調理用としての可能性、方向性がわかりやすく示されていた。ミディトマトの食べ比べで見た目以上の違いがあると感じた。>等があった。また、<調理用トマトは輸入トマト缶の安さに対抗すべく養液栽培に活路を見いだしていこうとしていることに光を見たが、価格面で厳しいのでは。>の指摘があった。

 一方、<中玉ならではの魅力、利点をもう少しクリアにしてもらいたかった。種苗会社の話は似たり寄ったりで、もう少し多面的な視点での話を聞きたかった。メニュー開発等では、女子栄養大での研究などがあれば良かった。栽培法を紹介して欲しかった。市場(消費者動向)と品種開発を結びつけた内容が聞けると良かった。>等の意見があった。

 中玉トマトの普及策の意見をまとめると、<種苗会社、生産者、流通(青果市場等)、消費者(バイヤー、中食、外食関係者)等のトータルなマーケティング戦略の構築が必要である。>となった。

2.中玉トマトの生食・トマト調理の試食について
 中玉トマトの生食に関する感想・意見は、<8種類もあったので食味テストが大変だったが貴重な体験であった。生食のみの食べ比べは生食利用という観点でしか評価できない。生食用トマトも加工して欲しかった。評価表の項目の数字が適切ではないと思われる。>等であった。

 個別の調理品に関する感想・意見は次のようであった。すずこまのコンホートは酸味が絶妙で美味であった。サンマルツアーノリゼルバのコンフィがとても美味で、甘味、うま味共に濃かった。トマトのムースについては、美味しかった。魚とかに合わせたらおいしいのでは。酸味が強かった。ポタージュスープについては、トマトそのままの味がして美味でした、との感想もあれば、酸味が強かった、との感想もあった。


サンマルツアーノリゼルバ
 調理全体については、<トマトの味、風味をいかしたメニューがほとんどであり、ほどよい酸味でとても美味しかったとする意見があった反面、中玉トマトの何を生かした料理なのか、コンセプトをはっきりとして欲しい。脇役的トマトメニューを考えて欲しい。>等の指摘があった。
3.本研究会の日程、時間配分など
 運営に関しては、時間配分等では、「ちょうどよかった」とする意見が半数以上であった一方、<試食、調理両者とも次から次と早く出てきたので、よく賞味できなかった。質疑応答を充実させ、育種、流通、外食、中食、調理担当者、それぞれの思いを話題にして欲しかった。>等の意見があった。開催時期については、<施設栽培トマトは4〜7月が一番おいしい時期であるので、この時期での勉強会開催が適当ではないか、>との意見があった。
4.今後に希望するテーマなど
 今後やってほしいとするテーマに12の提案があった。その中で最も多い作目はトマトで6つあり、種類としては、大玉トマト、ミニトマト、フルーツトマト、高糖度トマトが上げられ、時期別では7〜8月収穫ミニトマトと、冬春と夏秋の2回開催があった。

 次に多かった作目は2名からネギの提案があった。他に、なす(品種特性)、枝豆、イチゴ、メロン、かぼちゃ(品種・消費拡大)、サツマイモ、キュウリの提案があった。更に、日本独自の伝統野菜また逆に海外独自の野菜などの紹介、普及についての提案があった。

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