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試料 |
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A:
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ミニきゅうり(栃木)
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B:
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木瀬アンコール10(群馬) |
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2) |
方法 |
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生食での評価: Aは両端を1cm切り落とし丸ごと1本、Bは両端を切り落としたものを頭と尾に2分し、さらに長く4つ割にしたものを2切れずつ供した。原則としてそのものを味わうが、適宜別添の粒みそをつけてもよいことにした。 |
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塩漬けでの評価: 乱切りにしたものに1%の食塩をまぶし、1時間放置したものを4,5切れずつ供した。いずれの場合も60点を合格ライン、90点以上を「秀」とし、各項目について100満点で評点をつけさせ、最後に食べたい方を選ばせた。 |
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パネルは農大栄養科学科の学生で、調理学、官能評価論をすでに履修した者40名である。 |
3) |
結果 |
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図1-1 生食での評価結果
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図1-2 塩漬けでの評価結果
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図1-3 食べたい方の選択
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Aは独特のパリッとした噛んだとき砕け散る感じのかたさがあり、歯切れを強調したものであったが、きゅうりらしい香りも味も弱く、生でも漬け物にしても歯触りだけは好まれたが、それさえも従来のものを超えるものではなかった(図1-1、1-2)。また、食べたい方の選択率でもAは低かった。 |
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近年野菜や果物が本能的に快刺激とされる甘味を増強することで差別化が試みられてきたが、きゅうりのパリッとした食感もまた、そのターゲットになっていると思われる。しかし、食品のおいしさは、無数の特性からなっており、1つだけを強調すれば全体のバランスを崩し、自然が生み出す食品本来のおいしさを失うということも考えなければならない。 |
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図1-4 A、Bそれぞれを選んだ人のそれぞれの試料に対する評価
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ただし、Aの訴求ポイントは、味や風味ではなく、小さな形や歯触りを楽しむところにあるという主張は成り立つ。図1-4はそれぞれを好む人に群別したときの、それぞれのきゅうりに対する評価の平均値を示したものである。AはBを好んだ人には低く評価されているが、Aの訴求ポイントを期待する人は高い評価を与えている。しかし、ここで主張したいことは、かたさのみを強調することが、日常的に食されるきゅうり一般にまで及ぶことは避ける必要があるということである。実際、ふつうのタイプのきゅうりでも、かたさのみが強調され、味気ないものが間々見受けられるからである。Bはどちらを好む人にも高く評価されているが、きゅうり全体の需要を支えるには、幅広い用途に耐えられ、万人に好まれるものがまずベースにあって、その上でバラエティもあり得ると考えるべきであろう。
ではなぜ、このようなかたさを強調したきゅうりが未だ一部かも知れないがブームに成るのであろうか。それについては後で考察する。 |