【参考】
1 食べ比べ評価試験結果
 食べ比べ評価試験は、官能評価に用いる試料を選択することを目的として、味の好ましさと外観について評価が行なわれた。
1 試料きゅうり品種選択について
 試料選択にあたって、最近のきゅうりは育種系統の親が近いので分析結果には余り品質的な差は現れないのではないかとの指摘もあり、きゅうり品質の特徴を把握するためには、在来地方品種を含めて検討する必要があるとの視点から各県に少量残っている品種も評価対象に加えた。
 きゅうりは本来夏の野菜である。評価時期の10月には、ほとんどの産地が終了しており、対象に加えることができなかった。そこで品質的な差別化の特徴を見出すために、主要種苗会社から種子量の出ている品種と主な配布先をヒヤリングし、導入先農協関係者・生産者からの評価も聞き、下記のような試食目的を想定し選択した。
(1) 食べ比べ実施状況
 
1)

開催日 平成18年10月10日15時〜

2)

会場 東京シテイ青果(株)会議室

3)

試料選択の視点 関東各産地共通品種で産地差があるかどうか

 
  • 品種間の差があるかどうかブルームとブルームレスとの関係
  • 出荷終了期と出始め期
  • 日数経過による品質との関係
1.

食べ比べ試料

 
No
品種名 生産地 No 品種名 生産地
1 エクセレント 群馬 11 フロンティア 福島
2 フレスコ 群馬 12 T888 宮城
3-1 フレスコ 埼玉 13 TB−2 宮崎
3-2 フレスコ 埼玉 14 優輝 群馬
4 フレスコ 茨城 15 エクセレント 群馬
5 フレスコ 栃木 16 フレスコ 群馬
6 フレスコ 千葉 17 四川2号 宮城
7 ズバリ163 栃木 18 夏さんご 静岡
8 ズバリ163 埼玉 19 フリーダム 群馬
9 エクセレント 群馬 20 ミニQ 茨城
10 久輝 埼玉 21 モーウイ 沖縄
 
  • No.1〜16をレギュラー品種としてレギュラー品種は、10月出荷用品種で各県最盛期に入りつつあったもの。生育環境もよく、また、各品種の育成系統の親が近いので、品質の差は把握しにくいのではないかと予測された。
  • No.17〜18は四葉系品種
  • No.19〜21は参考品種
  • No.19はイボなし
  • No.20はミニきゅうり
  • No.21はモーウイ(沖縄きゅうり)
  • 試料数が多く、全点を一人が試食、評価するのは難しいことから、試料にナンバーをつけを奇数と偶数に分けて、評価してもらった。
2.

試食方法

 
  • スティック
  • 輪切り
  • 輪切り塩もみ
3.

パネル

 
  • 食べ比べの会「識菜会」を中心とした女性15名
  • 野菜と関わりの深い男性8名
(2) 評価集計結果
 
1)

外観の評価

   外観の評価はデータ数が不揃いで信頼性が低く、試食結果との相関は検討できない。
1.

集計結果グラフ

 
 
   
 
  • スティックと塩もみによる食べ比べの得点順位は概ね同じといってよく、調理方法による差よりも試料間の差のほうが大きいようだ。
  • 同試料で塩もみのほうが高得点だったものは5、スティックのほうがよかったものは11、ほぼ同じだったものは1である。ブルームきゅうりは2試料あったが、いずれも評価は低かった。
  • 同品種・同産地で到着日が当日と3日前の2試料を比較すると、味覚よりも外観に差が出た。
   
(3) 選択した評価試料
   以上により、女子栄養大学における分析型官能評価試料と東京農業大学における嗜好型官能評価試料として、下表のように選定した。
 
女子栄養大学
分析型官能評価試材
東京農業大学
嗜好型官能評価試材
品種名 産地 分析
整理記号
鮮度比較 品種名 産地 分析
整理記号
フレスコ 栃木 K1   フレスコ 栃木 K1
ズバリ163 埼玉 K2   TB−2 宮崎 K4
エクセレント 群馬 K3   夏さんご 静岡 K5
TB−2 宮崎 K4        
夏さんご 静岡 K5        
フリーダム 埼玉 K6        
ズバリ163 埼玉 K2 4日間保存      
TB−2 宮崎 K4      
夏さんご 静岡 K5      
 
(株式会社ワーズワークス 草 間 壽 子)
   


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