第1章 はじめに
1 趣旨
 野菜と文化のフォーラムでは、平成18,19年度と農林水産省の補助事業「知識集約型産業創造対策事業」に応募し採択されて「野菜のおいしさ検討委員会」において、科学的な指標の設定を目的に、官能評価と理化学的な評価の組み合わせにより、野菜のおいしさに係る指標等の策定等について検討を行ってきた。

 20年度は、これらの結果が評価され、野菜等健康食生活協議会から受託要請のあった「食育推進事業実施要領(平成20年4月1日付け19消安第14410号農林水産事務次官依命通知)」に基づく、にっぽん食育推進事業のうち「副菜摂取改善対策事業」を受託して、「食事バランスガイド」を活用した日本型食生活等の健全な食生活の実践を促すために野菜を中心とした副菜の摂取改善等に資するため、野菜のおいしさについて検討することとした。



2 事業の実施方法
 このため、平成20年度野菜のおいしさ検討部会(以下「部会」という。)を設置し、指定野菜及び特定野菜の中から数品目を選定し、栄養学、調理学、農学等の学識経験者に協力いただき、野菜のおいしさに関する共通認識の整理、野菜の官能評価試験方法等の検討を行うこととした。部会においては、ニンジン、ダイコン(根菜類)、レタス(葉茎菜類)、ナス、ピーマン(果菜類)等を対象として官能評価試験及び理化学的な評価を行うための機器分析試験等を実施した。
野菜のおいしさ検討部会 
<委 員>
小川 久惠 女子栄養大学短期大学部調理学第二研究室 教授
久保田 紀久枝 お茶の水女子大学大学院生活科学部食物栄養学科 教授
柴田 温 全国農業協同組合連合会 営農総合対策部 営農・技術センター 農産物商品開発室 室長
堀江 秀樹 野菜茶業研究所 野菜・茶の食味食感・安全性研究チーム長
宮崎 丈史 千葉県農林総合研究センター 生産技術部 部長
山口 静子 味覚と食嗜好研究所 代表、前日本官能評価学会 会長
 
(五十音順、敬称略)


3 供試用品種及び本報告書の取扱
(1) 供試用品種の取扱
   本報告書を取りまとめるに当たり、各品目の供試用品種の選定は、意図的に行ったものではなく、広く一般に栽培され、市販されているものを官能評価試験、機器分析試験に使用している。本報告書では品種名を出来るだけ明確にしているが品種間の優劣を評価したものではなく、あくまでも野菜のおいしさの評価につながる品種ごとの特徴に焦点を当てたものであり、品種間競争を求めているものではないことをご理解いただきたい。
   
(2) 本報告書の取扱
   本報告書は、農林水産省の補助事業により得られた成果であり、農業関係者、国内外の学会、マスコミ等に広く公表し、積極的に事業成果の公開・公表に努める。また、新聞、図書、雑誌、論文等に事業成果を発表する場合は、本事業による成果であること、論文の見解が農林水産省の見解ではないことを明記した上で、広くご利用いただきたい。
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