キャベツは部位による物性の差異が著しいため、官能評価で結果を得るのは難しいと思われた。しかしながら、「春系305号」と「あまだま」の比較の結果、「あまだま」の方が甘いと評された。糖含量も後者が多く、糖含量の差異が甘さの差として評価されたものと推測できる。ただし、「おいしさ」では「春系305
号」が好ましいとされ、「甘さ」=「おいしさ」でない点は興味深い。
「春系305号」と「C-35」の間でも、糖含量の高い前者が甘いと評価されている。おいしさについては逆の傾向がある。
これらのことから、官能的な甘さは糖含量と関係しそうではあるが、甘いものがおいしいとは結論できない。今回の結果からは、煮キャベツのおいしさはむしろ食感との関係が深いものと推察される。「歯ごたえ」、「噛みごこち」「しなやか」などがおいしいと評価された「C-35」の食感に関するキーワードであり、今後は煮キャベツの食感評価が重要と考察される。
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