第2章 野菜のおいしさに関する検討結果
W 官能評価によるナスの調理適性
1 調理特性についての官能評価結果
C 図5にサラダ紫の調理法別の官能評価平均値を示した。
 「生」は外観、香り、味、テクスチャーの各総合評価および全体の総合評価で普通から、やや良いと評価された。生は加熱したものに比べて外観がよく、テクスチャーも生の方が良いとされた。

 「蒸す」は香り、味では生との差はみられないが、蒸すことによって皮の色が褪色し、また、皮、果肉が軟らかくなった。全体の総合評価は普通と評価された。

 「揚げる」は、「蒸す」と同様に、皮および果肉の硬さが和らぎ、歯ざわりの評価が低下した。全体の総合評価は普通と評価された。

 以上から、ナスは加熱すると、味については甘味、旨味が増して渋味が弱まり、テクスチャーでは、皮、果肉が軟化する傾向がみられた。本来、生食を目的とするサラダ紫を除いて、味、テクスチャー、全体の総合的評価で評価値の向上が見られた。この傾向が顕著であったのが長岡なすであり、庄屋大長は加熱による変化は小さかった。
(女子栄養大学短期大学部 小川久惠)


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