タイトル<野菜の学校>
● 2011年度「野菜の学校」 ●
- 2011年7月授業のレポート -
【当日の信州野菜とその料理】
※植物分類表記は、系統発生解析による新しいAPG分類体系に基づく

◆赤根大根 <アブラナ科>

 名前や形は大根だが、かぶの一種。飛騨地方の「船津かぶ」、滋賀県の「大藪かぶ」「彦根かぶ」と近縁にあたる。来歴は不明だが、江戸時代に木地師(ろくろを使って椀や盆などの木工品を作る職人)によって伝えられたとも、当時、質のよいたばこが生産されて江戸・美濃・大阪にまで行商されていたので、持ち込まれた可能性があるともいわれる。

 選抜・育成された「清内路あかね」がF1品種登録されている。

 葉の数は少なくびわの形をしており、毛じはなくやわらかい。表面にキャベツのようなブルームが発生する。根部は大根のような長型で、長系、短系、牛角系があるが、全体に濃紅色で非常にやわらかい。

 阿智村清内路で6月下旬〜7月下旬、10月中旬〜11月中旬に収穫される。

 「赤根大根」の紅色はベラルゴニジン系アントシアニン。ポリフェノールの一種で抗酸化作用をもつ。

 甘酢漬けやサラダなどに向く。当地では特産の「清内路きゅうり」、みょうが、きのこと合わせて初冬に漬け、乳酸発酵が進んだ春先から食べ始める。


赤根大根

赤根大根の漬けもの

赤根大根の漬けもの
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