塚田氏は元長野県野菜花卉試験場場長で、野菜の遺伝資源、育種、生産のシステム化などがご専門。信州スローフード協会の理事としてもご活躍です。
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●スタッフである管理栄養士の松村眞由子さんは岐阜県中津川市の出身なので、信州へは車で5分、特に伝統野菜の「開田きゅうり」の産地である開田高原はなじみがあるとか。信州の野菜栽培は、自分の家のその日のために栽培しているといったイメージを描くとよいそうです。山国の信州に野菜が伝わってきたルートとして、木地師が運んできたり、京都からの行商が持ち込んだり、「王滝かぶ」が山形の「温海かぶ」に通じるのは領主の国替えに伴った故など、信州の伝統野菜のルーツが興味深かったとの話がありました。
●東京青果(株)の宮坂守文さんからは東京市場の現状報告。震災後、6月は心配されたような単価の落ち込みもなくすんだが、出盛りのきゅうりの相場が下がらないのが不安材料だそうです。例年、福島のきゅうりが出回る予定なので、消費者にはぜひ食べてほしいとのこと。安心して食べられる体制が望まれます。
●野菜調達担当スタッフである果菜里屋(株)の高橋芳江さんからは、今日の食材の説明。きゅうりには白いぼ系と黒いぼ系があるが、黒いぼ系はもうほとんど出回らなくなっている昨今、黒いぼの「八町きゅうり」のように地方には残っていることがおもしろいとのこと。長野県はきのこの出荷が多いが、「バイリング」と「あぎ茸」は長野県おすすめの品種。今回、地方野菜として用意した安曇野わさび3種(「真妻」、「正緑」、「イシダル」)の食べくらべは、大変貴重な体験になるだろうという予告もありました。
わさびには赤茎系と青茎系があり、赤茎系の「真妻」という品種は大変高価であるだけに、粘りと辛さが独特で、料亭や寿司屋でしか味わえないものだそうです。生わさびの保存方法について、高橋さんが産地で聞いたところによると、軽く水分を含んだ紙に包んで冷蔵庫で1ヶ月、すりおろして薄くのばしてから冷凍もできます。
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