第2章 野菜のおいしさに関する検討結果
W 官能評価によるナスの調理適性
1 調理特性についての官能評価結果
結果
 4品種のナスによる「生」、「蒸す」、「揚げる」の3調理方法について行った官能評価平均値の結果をナスの品種別に比較した。
@ 図2に長岡ナスの調理法別の官能評価平均値を示した。
 「生」は外観、香りいずれも普通の評価であった。味では灰汁っぽさ、渋みがややあるとされ、味の総合的評価は普通からやや悪い、の間であった。テクスチャーでは皮、果肉が硬いとされ、総合的評価はやや悪いであった。味およびテクスチャーの影響を受けて全体の総合評価はやや悪いと評価された。
 「蒸す」は、外観の色が、蒸すことで色が褪色して薄くなり悪いと評価された。味項目では甘味、旨味が強まり、灰汁っぽさ、渋みが低下し弱まって味の総合的評価が向上した。テクスチャー項目では皮、果肉が柔らかくなり、ぬめりが強まり、テクスチャーの総合的評価も向上した。味、テクスチャーの影響を受けて全体の総合的評価はやや良いと評価された。

 「揚げる」は「生」「蒸す」に比べ外観の色が濃く、良いと評価された。油の香りが付加されて香りの評価が向上し、また、油の使用によって味の灰汁っぽさが緩和される一方、甘味、旨味が強まった。テクスチャーでは皮、果肉が柔らかくなり、蒸すと同様に高い評価であった。外観。香り味、テクスチャーのいずれの項目も向上し、全体の総合評価はやや良いから良いの間に評価された。長岡ナスは加熱することで外観、香り、味、テクスチャーの評価が向上することから、加熱調理に適しているといってよい。


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