第2章 野菜のおいしさに関する検討結果
W 官能評価によるナスの調理適性
1 調理特性についての官能評価結果
B 図4に千両2号の調理法別の官能評価平均値を示した。
 「生」は外観、香りともに普通の評価であるが、味の灰汁っぽさ、渋みがやや強いとされ、テクスチャーでは皮、果肉が硬く、歯ざわりが強いと評価された。味、テクスチャーの総合評価はいずれもやや悪いとされ、全体の総合評価もやや悪いと評価された。

 「蒸す」は外観、香りともに「生」と差がないが、味の灰汁っぽさ、渋みは弱く、一方で甘味、旨味は強まり、また、テクスチャーは皮、果肉が柔らかくなり、ぬめりがややあるとされて味、テクスチャーの総合的評価は向上した。全体の総合評価は普通と評価された。

 「揚げる」は「蒸す」と同様に外観、香りともには「生」と差がないが、味の灰汁っぽさ、渋味は弱くなる一方で、甘味、旨味は強まり、テクスチャーは果肉が柔らかくなって、味、テクスチャーの総合的評価は向上した。全体の総合評価は普通と評価された。

 千両2号は、「生」では味に灰汁っぽさ、渋味が感じられ、テクスチャーは皮、果肉が硬く好まれないが「蒸す」「揚げる」などの加熱によって、味やテクスチャーに変化がみられ、評価が向上した。


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