第2章 野菜のおいしさに関する検討結果
X 官能評価によるピーマンの調理適性
 年令にもよるが、香りの強い野菜は、好みが比較的はっきりしており、セロリ、パセリ、ピーマンなどは嫌いな野菜として上位にあげられることが多い。そこでこれら香りの強い野菜が調理方法、調味料、副材料などを変えた場合に嗜好の変化がみられるのか、ピーマンについて検討した。

 調理方法として「生」「炒める」、「焼く」、「揚げる」、「茹でる」、「煮る」の6調理方法、調味料として塩としょうゆ、副材料として肉類を加えた場合の影響について検討した。
1.試料 ピーマン
 品種:みおぎ  平均重量35〜38g/1個
 茨城県鹿島郡神栖市農協産
2.調理方法と試料調製 
「生」

 ピーマンは種を除いて繊維に対して直角になるように約2ミリ幅の線切りにする。

「炒める」
塩:
ピーマンは種を除いて2ミリ幅の線切りにし、フライパンを熱したところにピーマンの8%重量の油を入れ、強火で2分間攪拌しながら炒め、炒めている間にピーマンの1%重量の塩で調味した。以下、試料名を[炒・塩]とする。
しょうゆ:
塩の試料と同様にピーマンを線切りにし、[炒・塩]と同様に加熱し、塩をしょうゆに置き変え、ピーマンの1%重量の塩と同じ塩味になるように、しょうゆで調味した。以下、試料名を[炒・しょうゆ]とする。
牛肉添加:
[炒・塩]の試料と同様にピーマンを線切りにし、線切りにした牛肉をピ−マンの30%重量加えて炒め、[炒・しょうゆ]と同じに調味した。ピーマンのみを選び出して官能評価に供した。以下、試料名を[炒・牛肉・(しょうゆ)]とする。
「焼く」
塩:
丸のままのピーマンを、直火にのせた網の上で回しながら4、5分かけて焼く。表皮は焦げてはがれるため除く。内部の種も除き、繊維に沿って縦に4等分し、ピーマンの0.2%重量の塩を振る。以下、試料名を [焼・塩]とする。
しょうゆ:
塩と同様直火にのせた網の上で焼き、切り分けた後約10分間調味液につける。調味液はピーマンと同重量液をだし4:しょうゆ1:みりん1を混ぜ合わせて調製する。試料名を[焼・しょうゆ]とする。
「揚げる」
塩:
ピーマンは、繊維に沿って縦に4等分し、種を除いた後、160℃の油で約2分間揚げる。あら熱をとった後、ピーマンの0.2%重量の塩を振る。試料名を[揚・塩]とする。
しょうゆ:
ピーマンは繊維に沿って縦に4等分し、種を除いた後、160℃の油で約2分間揚げ、揚げたてを調味液に10分間つける。調味液量は「焼く」と同様にピーマンと同重量液をだし4:しょうゆ1:みりん1を混ぜ合わせて調製する。試料名を[揚・しょうゆ]とする。
「茹でる」
塩:
「生」「炒める」「焼く」と同様にピーマンを線切りにする。0.5%塩分濃度の沸騰湯で1分間茹で、水気を切った後、ピーマンの0.2%重量の塩を振る。試料名を[茹・塩]とする。
「煮る」
しょうゆ:
[茹・塩]と同様に下処理し、ピーマンの1%重量の塩分をしょうゆで、またピーマンの3%重量の砂糖を加えて煮る。試料名を[煮・しょうゆ]とする。
3.官能評価
  • パネル
    女子栄養大学短期大学部学生(平均年齢19±1歳)女性、52名

  • 評価項目
    官能評価票を図1に示す。外観、香り、味、テクスチャー、及び全体の総合評価を主項目とし、票のように各項目に小項目を設け、7段階あるいは4段階で評価した。

  • 供試方法
     白皿に盛り、各料理は室温で供した。試食順序は順序効果を考慮した。
4.実験日および実験場所
 平成20年11月17日及び24日
 女子栄養大学短期大学部、官能検査室


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