平成19年度、3種類のニンジンについて味や食感についてPOPをつけて試験販売した。生で試食した結果、最も多く購入されたニンジンは「ひとみ五寸」であり、アンケート調査の結果はその甘味が購入のポイントであった。ただし、事前に調査した結果では、糖含量については3種類の間で差はなく、硬さの官能評価では「ひとみ五寸」が「軟らかい」と表されている。平成20年度には社会人を対象としてニンジンの官能評価を行った。その結果、「ひとみ五寸」については、糖含量が他と比べて高くないにもかかわらず、生食では「食感が好ましく」、「甘い」とされた。さらに、平成20年度にニオイや香気成分を評価した結果からも、「ひとみ五寸」はニオイの弱いニンジンとされる。これらの結果を総合して、「ひとみ五寸」は、肉質が軟らかで、ニンジン臭が少なく、甘味を感じやすい特徴的な品種と判断される。これらの結果を受けて、サラダなど生食利用への展開を考えた場合には、「ひとみ五寸」の持つ特徴が有効と考えられる。
生食にも適する品種のモデルとして、「ひとみ五寸」が向くことを確認するため、野菜に関心のある方をパネルとして、他の2品種との間で官能により比較した。 |
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