第8章 スイカの甘み表示に関する意識調査
千葉県農林総合研究センター 宮崎 丈史
3 調査結果

(1) 使用したスイカ果実の糖度分布
 産地の選果場において非破壊で糖度選別(糖度センサー選別)を行った2L果実12個の糖度を調査した。果実糖度は10.7〜12.5の範囲にあったが、これらを0.5刻みにしてその分布を示すと、図1のようであった。最も多かったのは糖度11.5前後の果実であり、糖度センサーで精度良く選別されていることがうかがわれた。なお、M〜L果の糖度は8〜11の範囲にあり、糖度9〜10の果実が多くを占めていた。

(2) スイカ果実の糖度と糖含量との関係
 スイカにおける糖度と糖含量との関係を検討するために、食味の評価に用いた糖度10と糖度12の果実に糖度9と糖度11の果実も加え、各々果汁を採取して分析に供した。

 果汁糖度と果汁の全糖含量を表1に示した。糖度と糖含量は良い比例関係にあり、糖度−糖含量は約1.2であった。このことから、本調査に用いたスイカ果実では糖度から1を差し引いた数値をおよその糖含量と考えてよいと思われた。

(3) アンケート調査結果
 有効回答数152の集計結果の概略を以下に示した(詳細は別途)。

  1. 糖度10と糖度12のスイカを試食して甘みを5段階(甘み不足:1〜とても甘い:5)で評価してもらった結果は以下のようになった。
     糖度10のスイカ… “普通の甘み(評価スコア3)”
     糖度12のスイカ… “甘い(評価スコア4)”

  2. 糖度10と糖度12のスイカとではどちらがおいしかったですか
     85%は糖度12のスイカがおいしいと答えた。一方、糖度10のスイカの方がおいしいとの回答も15%あった。

  3. スイカのおいしさで重視するものは何ですか(複数選択回答)
     甘み(82%)、みずみずしさ(47%)が多く選択された。

  4. スイカの甘みに差がある場合、価格に差があってよいと思いますか
     95%が“差があってよい” と回答した。また、糖度12のスイカならば糖度10のスイカより1〜3割高(平均1.5割高)でも許容できる、とする回答が8割を占めた。

  5. カットしたスイカを購入する際、何を参考に選んでいますか
     “果肉の色や状態を見て” という回答が多く(80%)、次いで“甘み表示を参考にして”(39%)が選択された。

  6. スイカの糖度をみたときに甘さの程度が分かりますか
     “だいたい分かる” と回答した人は約2割にすぎなかった。なお、“だいたい分かる” と回答した人の糖度と甘さに関する認識は、普通のスイカの糖度が10〜11、甘いスイカの糖度が12〜13であった。

  7. 甘み表示がある場合、どの程度それを購入の参考にしますか
     84%が“おおいに参考にする”・“ある程度参考にする” と回答した。

  8. 今後も甘み表示を実施してほしいと思いますか
     95%が“実施してほしい” と回答した。


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