また、どちらともいえないと答える人は、多くの項目において野菜がおいしくなったと答えた人の評価と近い平均値を示している。これは若年者や野菜に対して強い意見を持たない浮動票の人は、野菜の変化の波に乗りやすいことを示唆している。
3)野菜の変化
「新しい品種を増やすよりは、今までの野菜を大切にしてほしい」(15)、「従来の野菜をやたらに変化させないでほしい」(16)、「新しいものよりも伝統野菜を大切にしたい」(20)はいずれの層も高い評点を示し、高年者はより要望が高かった。
4)香り、クセ
どの層でも香りの弱いもの、クセのないものが好ましいと思われている訳ではない。(19)
5)野菜の甘味化
若年男性を除いては「最近の果物は甘すぎるものが多い」には賛同者が多く、また「果物は甘ければ甘いほどおいしい」とは思われていなかった。しかし、何気なく買ったトマトが甘いときにはうれしいと感じる人が多く、苺を買うときは甘そうなものを選ぶ、とした人が多かった。しかしもっと甘いトマトを増やしてほしいというわけではなかった。また、野菜の甘みについてはキャベツではもっと甘くして欲しいという人も若干いたが、ネギまで甘くしてほしいとは思われていなかった。甘み化については、上記のように、味の深みや持ち味を重視するか否かと逆相関関係にあり、これについては後にさらに考察する。
6)その他
マヨネーズ嗜好(48)には個人差が大きく、女性は必ずしも高い嗜好度を持つとはいえない。しかし、醤油と鰹だしへの嗜好度(49、50)は高く、その限りにおいて和食文化のベースは保たれているといえ、今後も和食文化の継続発展が望まれる。
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