◆姫路れんこん <ハス科>
れんこんは元々中国から仏教と一緒に伝来したが、小ぶりだったため、あまり普及しなかった。食用としては鎌倉時代に伝来したものの、観賞用やお盆のお供え用にとどまり、実際に食べ始めたのは江戸時代になってからのことである。
姫路れんこんは、姫路市の南西部、大津区や網干区、たつの市御津町一帯で栽培される。大津地区へは90年ほど前の大正時代に山口県から種を持ち帰って導入したのが始まり。大津れんこんなどの名称があったが、最近、名称は姫路れんこんに統一された。収穫は正月用の年末がピークだが、夏に始まり翌春まで続く。
れんこんはでんぷん質が多いため、加熱してもビタミンCが損失しにくい。食物繊維も多い。れんこんを切ったときに引く糸はムチンで、糖とたんぱく質が複合したもの。胃壁を保護し、消化を促す。
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