タイトル<野菜の学校>
● 2011年度「野菜の学校」 ●
- 2011年9月授業のレポート -
【当日の兵庫野菜とその料理】
※植物分類表記は、系統発生解析による新しいAPG分類体系に基づく

黒さや大納言小豆 <ネギ科>

 あずきの「あ」は赤、ずきは「溶ける」という意味。崩れやすい所を意味する「あず」から付けられたという説もある。文字通り、小豆は煮崩れしやすいが、丹波の小豆のように胴が割れにくいものを、殿中で抜刀しても切腹を免れた大納言に因んで「大納言小豆」というようになった。

 大納言小豆の産地は兵庫県丹波市春日町東。2000年にテレビの料理番組をきっかけに、柳田隆雄さんが在来種である黒さやの栽培を復活させようと東中地区の農家に呼びかけ、「黒さや会」を発足させた。大納言小豆は東中の一部地区でしか栽培できない。そのために黒さやを基に量産を目的とした品種に改良され、現在の春日大納言小豆になっている。大納言小豆といってもいくつか種類があり、白さやなども総称して丹波大納言小豆と呼ぶ。中でも「黒さや小豆」は由緒ある最高級品で、値段は北海道産の大納言小豆の10倍、同じ丹波産の2〜3倍もする。


黒さや大納言小豆


 黒さや大納言小豆は完熟するとさやが黒くなる。光沢が美しく、四角形のようで積み上げることができる。表皮が薄く、食べた後、粕が残らない。煮ると指頭大になり、煮詰めても形がこわれない。糖分が多く味が濃い分アクも強い。長く貯蔵しても虫害がなく、変質しない。

 小豆の皮の紫色は抗酸化作用のあるアントシアニン、渋味、エグミなどのアクはサポニンで、せきやたんに効能があるとされる。

 小豆は和菓子の餡や赤飯、おはぎなどに。

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