<ナス科>
原産地はインドで8世紀ごろ中国から伝わったといわれる。鹿児島では、淡緑色の在来白なすが病気に強く、栽培が容易、味もよいので、戦前から広く栽培されている。全国的には「青なす」とも呼ばれるが、鹿児島では昔から「白なす」「白長なす」「薩摩白なす」などと呼ばれてきた。栽培には普通のなすの1.5倍程度の株間がよく、肥料も増したほうがよく生育する。
果形は長なすと丸なすがあり、丸なすには縦長の巾着型と米なすに似た系統がある。大きいタイプは長さ13〜16cm、尻部の直径は9〜13cm、重さ300〜500gになる。
長なすは長さ20cm、直径5cm、重さ150〜200g程度。果皮色は淡緑で、首太りや尻のとがりは小さい。へたの部分に野生的な硬いトゲが生えている。
白なすはアクが少ないので、産後に食べるのは白なすでなければいけない、といわれていた。
白なすの皮はやや硬いが、果肉は軟らかく、ジューシー。種子の充実が遅いので、口当たりがよく、食べやすい。鹿児島では昔から「焼きなすなら白」といわれるほど、白長なすは焼きなすが最もおいしく、とろける味わい。白丸なすは田楽にむく。
他にも、煮物・天ぷら・炒め物・汁の実・漬け物など。ふつうのなすのようにみそ汁の具や、みそ炒めなどの炒め物にも。白色で汁などに色が出ないので、料理の色が美しく仕上がる。
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