先の実験1)と同じ大学生を被験者(n=161:85
%は女子)とし、ニンジンの出盛り時期である平成19 年12 月21 日に以下の実験を行った。ニンジンは千葉県で栽培した千浜五寸で、Brix
7.2、果糖1.1、ブドウ糖1.6、ショ糖2.8 (%)、グルタミン酸15.7、ア
スパラギン酸14.2 (mg%)であった。実験ではニンジンに0.0033 %のIMP を添加したも
のと無添加を比較し、相違点の識別と好ましさの評価を時系列的に行った。
実験は2つに分けてやや異なる条件で行った。実験1では、ニンジン2kg に対して水2kg, 食塩10g、醤油と味醂各30gを加えて煮た。ニンジンは1
切れ約 6 g の乱切
りにした。IMP 添加と無添加試料の2つをランダムな記号をつけた器に盛りつけて供し、最初は自由に食べ比べて、好ましい方とその理由を解答用紙に記入させた(1
回目)。続いて、“これらは「だし」の味が微妙に違うだけで、ニンジンには個体差や部位差はあるが、同じロットのものを同時に同じ条件で煮たものである”というヒントを与え、一方の1切れをよく味わい、続いて他方も同様に味わってから、上記と同様の記入をさせることを4回繰り返した(2回目から5回目)。実験2では、試料はごく僅か単純化するために味醂を除いた他は同じである。評価方法も同じであるが、ヒントでは「だし」とは特定せず、調味料が微妙に異なるものとした。IMP
添加と無添加のどちらを先に味わうかが半数ずつなるように割り当てた。
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