タイトル<野菜の学校>
● 2011年度「野菜の学校」 ●
- 2011年10月授業のレポート -
【当日の鹿児島野菜とその料理】
※植物分類表記は、系統発生解析による新しいAPG分類体系に基づく

へちま <ウリ科>

 東南アジア原産。鹿児島では「ナガウイ(長瓜)」「イトウイ(糸瓜)」と呼ぶ。長さ30〜50cm程度で、繊維が少なく、種子の白皮がまだ発達していない未熟期ごろに食べる。開花後7〜14日程度で食べられる。

 『成形図説』(1802年、島津重豪が曽槃・白尾国柱らに命じ、農事・五穀・疎菜・薬草・草木・鳥類などについて編纂させた百科事典)に「浮皮(うわかわ)は包丁にて、こさぎさり、豚肉(ぶたしし)、炮魚(あぶりいを)などと煮て食ふ。味噌田楽として豆腐あえものとして食ふ」などの記載があり、鹿児島では古くから食用として利用されていた。現在ではみそ炒めやみそ汁などで食べられている。

 ヘチマサポニン(ルシオサイド)は、血小板凝集抑制・血液凝固延長作用が報告されている。


へちま


ナガウイ(へちま)のみそ炒め

 へちま(ウリ科植物)に多く含まれる酵素のADH、ALDH(アセトアルデヒド脱水素酵素)が、肝臓にアルコールが運ばれる前に胃や腸でアルコールやアセトアルデヒド(悪酔いの原因物質)を分解することから、肝臓に負担をかけずにアルコール代謝を行うことができる。これを利用したサプリメントなども研究されている。

 調理は、皮をむいて輪切りにし、みそ炒めにすることが多い。その他、みそ汁、すまし汁、そうめん汁(煮干しだしでへちまを煮て、そうめん、さつま揚げといっしょに食べる)、酢みそかけなど。いずれも柔らかい種をつけたまま使うが、薄すぎたり、細く切ると形が崩れ、どろどろになる。ほろ苦い風味がある。

 水分にミネラル、うま味が含まれているため、水分を逃がさず一緒にとるとよい。
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