タイトル<野菜の学校>
● 2011年度「野菜の学校」 ●
- 2011年11月授業のレポート -
【当日の宮城野菜とその料理】
※植物分類表記は、系統発生解析による新しいAPG分類体系に基づく

◆仙台芭蕉菜 <アブラナ科>

 地中海沿岸、トルコ、イランなどを原産地とする和種アブラナ科から分化したもの。和種アブラナ科にはカブ、白菜などがある。江戸・東京野菜を専門にする大竹道茂先生によると、江戸時代の初期、荒川区の三河島で作られ、江戸の民衆が漬け物として食べていた「三河島菜」は、仙台で発行された専門書に「三河島菜、仙台では芭蕉菜という」と書かれているとのこと。伊達藩の足軽が参勤交代のおり、江戸から国元に種を持ち帰って栽培し、仙台の伝統野菜になったと見られる。

 芭蕉菜は葉の形が芭蕉に似ていることから名がついたといわれ、耐寒性の強いツケナ類の一種。大きく通常50〜60cmで収穫するが、栽培によっては80cm以上になることもある。葉色がやや淡く、葉の縁に縮みがある。

 東北から北関東にかけて、同じ「芭蕉菜」と呼ばれるツケナが栽培されているが、辛みがあることからタカナの仲間で、仙台芭蕉菜とは別ものと見られる。仙台芭蕉菜は辛みがなく、茎、葉ともやわらかい。独特の風味がある。

 芭蕉菜は漬け菜として利用することが多い。熱湯で湯通ししてから漬けると、やわらかく漬かる。漬けものでごはんを巻いたり、炒め物、鍋などにも使える。


仙台芭蕉菜


仙台芭蕉菜のおひたし

 
>>> 2011年11月「宮城野菜」レポートトップに戻る