◆赤がらからとりいも <サトイモ科>
さといもの葉柄(ようへい)を「ずいき」、「赤がら」などと呼び、この葉柄をとるさといもが「からとりいも」。
全国的には葉柄が緑色のもの(青茎)が広く栽培されているが、仙台地方では赤茎と呼ばれる茎の赤いものがずいき(干したもの)用として栽培され、正月料理や収穫祭などに用いられてきた。
からとりいもは生長すると人の背丈を越してしまうほど大きくなり、10月下旬から11月上旬に収穫される。葉柄は皮をむいて乾燥させ、保存する。乾燥したものは、炭水化物、ミネラル、タンパク質、食物繊維を含む安価な栄養食品で、以前は家庭の惣菜によく利用された。
生ずいきは皮をむいて料理する。皮をむいてゆでる方法、先に皮ごとゆでて冷水にとってから皮をむく方法もある。シャキシャキとした歯ざわりが独特で、みそ汁の具、煮物などに。下ゆでしたずいきは甘酢や三杯酢で和えたり、薄味で下煮したものを白あえや胡麻あえにしてもおいしい。
干したものは、関東では「干しずいき」、関西では「割菜」として売られている。皮をむいてから干してあるので、水にもどすだけで年中使えて便利。もどしてから油で炒め、油揚げなどと一緒に煮ると常備菜になる。
干しずいきは仙台雑煮には欠かせないもの。焼いたハゼでだしをとり、イクラを添えて食べる。
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