◆万木(ゆるぎ)かぶ <アブラナ科>
高島市安曇川町万木地方で受け継がれてきた赤かぶで、この地方で作られていた蛭口かぶと白かぶが自然交配してできたものといわれている。長さ50〜60cm、茎は白く、葉は柔らかくなめらかで、切れ込みがない。根は直径9〜10cmほどの球形、やや淡い鮮紅色でつやがある。中は白色で赤が混ざる。肉質は軟らかすぎず、固すぎず、漬けものにすると適度な歯触りになる。赤かぶに白かぶの良いところを混ぜた、洗練された印象。
明治時代に地元の農家・水口藤助氏が系統選抜に努めた結果、すぐれた形質になって広く栽培されるようになった。当時は、「藤助かぶ」と呼ばれていたが、明治中期ごろ、主産地である「万木」が品種名になった。
万木かぶの根こぶ病の被害が年々増加したため、滋賀県農業試験場で根こぶ病耐性品種の育種に取り組み、平成2年に新しい品種が登録され、現在では「近江万木かぶ」の愛称名で市販されている。
ぬか漬け、甘酢漬けなど。葉も柔らかく、漬けものとして食べる。11月〜12月に干してから漬けものにする。
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