タイトル<野菜の学校>
● 2011年度「野菜の学校」 ●
- 2011年12月授業のレポート -
【当日の滋賀野菜とその料理】
※植物分類表記は、系統発生解析による新しいAPG分類体系に基づく

◆伊吹だいこん <アブラナ科>

 上板並地区、下板並地区、大久保地区などで生産。根の長さが15〜20cm程度。形や大きさから「ねずみ大根」、急に尻尾の部分が細くなる所がマムシに似ているので「蝮大根(まむしだいこん)」、「からみ大根」「峠大根」とも呼ばれる。


伊吹だいこん


 葉の形は通常の大根と同じだが、葉、葉柄と首の部分が少し赤くなる。根は白色で、青首大根と同様に地上に出ている部分は緑色がかる。肉質は緻密、水分が少なく、固くしっかりして、でんぷん質が多く、貯蔵性がよい。辛味があるのが特徴。灰質の土質と山間の温度差がこの辛みを生むといわれ、この地域以外のところで作っても辛みが出ない。

 作りやすく、何にでも利用でき、味も良かったことからよく作られた。収穫のとき、蹴って大根を掘り起こすことができるほど根が浅く入っているため、地元では「けっからし大根」とも呼ばれる。

 大根は 消化酵素のジアスターゼを含んでおり、消化がよい。辛味はイソチオシアネート。

 味が濃く、しっかりした味の大根なので、煮もの、漬けもの、大根おろしなど何にでも使える。伊吹町はそばの産地でもあり、大根おろしをそばの薬味にしたり、そばにかけて食べる。

 漬けものは歯切れがよく、甘味がある。煮ものはやわらかく煮え、くずれにくく、味もしみこみやすい。
>>> 2011年12月「滋賀野菜」レポートトップに戻る