タイトル<野菜の学校>
● 2011年度「野菜の学校」 ●
- 2012年2月授業のレポート -
【当日の宮崎野菜とその料理】
※植物分類表記は、系統発生解析による新しいAPG分類体系に基づく

◆平家かぶ <アブラナ科>

 熊本県との県境、椎葉村は平家落人伝説の地。「平家かぶ」の名称はこの伝説に因むもので、落人が持ってきたか否かは不明。全国に「平家かぶ」と呼ばれるかぶがあるが、椎葉村のかぶは原種に近い。同様のかぶが兵庫県香住町御崎にもあることが調査でわかっている。

 白かぶで葉が大きく、鮮緑色。根は長大でひげ根が多い。播種しなくても道端や土手などに自生してくるため、地元では天からふってくる「ふってかぶ」とも、生で味が苦いことから「にがかぶ」とも呼ばれる。

・かぶの根のエネルギーは20kcal、カリウム280mg/100g。
・かぶの葉のエネルギーは20kcal、カリウム330mg、カルシウム250mg、βカロテン2800μgg/100g。根より葉のほうがミネラル、ビタミンに富む。

 寒さに強く、根は食べないが、若葉や抽苔した花茎・花蕾を塩漬けやお浸しにする。

 


平家かぶ


平家かぶの卵とじ

 

 また、椎葉村の名物、『菜豆腐』に入れる。これは、豆乳に混ぜて固めたもので、お祭りや冠婚葬祭など、人が集まる時に家庭で作られていた郷土料理。元来は豆腐の増量のための具材として利用された。春先には菜の花の黄色い花やつぼみを入れたり、5月には紫色の藤の花を入れたりする。その他、だいこん、にんじん、柚子、最近ではパプリカなど、様々な素材も入れられている。そのままでも食べられるが、醤油をかけたり、柚子みそをつけたり、形くずれしないので煮しめにもできる。

>>> 2012年2月「宮崎野菜」レポートトップに戻る