日高氏は昭和61年農業技術職として宮崎県に入庁。その後、百貨店の販売流通に関わったり、県知事の秘書科に配属されたりと、農業技術職としては異端児をもいえるキャリアを重ねてこられたそうで、現在は東京事務所でみやざきブランドの農産物全般の販促・流通を担当しておられます。
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●東京青果(株)の宮坂守文氏からは、市場の状況報告。サトイモの扱い量は年間1,000tで、去年は前年より増えたそうです。京いも、セレベス、八つ頭は300t。京いもはほとんどが宮崎産、八つ頭は正月の縁起物として出回ります。サトイモは皮をむく手間があり、料理がしにくいからか、扱い量が年々減る傾向で、平成元年に比べると23年間で43%まで減っているそうです。
野菜全般の動向を見ると、昨年増えたものは、輸入によってブロッコリー、アスパラガス、パプリカ、簡便性から増えたのが小ねぎ、ミニトマト、みょうが、水菜、健康志向からはゴーヤー、長いも、れんこんだとか。大きく減ったのは豆類で、収穫に手間がかかる上、石油の高騰で節電が進み、収量が上がらなかったのが原因のようです。
●スタッフである管理栄養士の松村眞由子さんからは、季節と体、野菜の関係などのお話。冬場は緑黄色野菜が出回りますが、ビタミンAは粘膜を強くし、ビタミンCは風邪予防になるので、地産地消は健康との関係においても、よくできているとのこと。特に青菜は、寒さに備えて糖分を蓄えるので甘みが増しておいしくなっています。冬は私たちの体の基礎代謝は上がるものの、動かなくなりがちで、一方、食べものがおいしくなるため、太る傾向があるようです。また、太るのは、不眠やストレスも原因。夕食の時間も問題で、脂肪を体に蓄えるたんぱく質が働くのは23:00〜2:00ということを考えると、夜遅い食事は控えたほうがよいことがわかります。
●続いて調理責任者の領家彰子さんから、食べくらべと当日の料理試食の説明。京いもは上と下では味が変わるので、気をつけて食べてもらいたいこと、各いもの持ち味を生かすために厚めに切っていること、平家かぶの調理は難しかったが、白い部分を揚げたらとびっきりの味になったことなどが伝えられました。
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