タイトル<野菜の学校>
● 2011年度「野菜の学校」 ●
- 2012年2月授業のレポート -
【当日の宮崎野菜とその料理】
※植物分類表記は、系統発生解析による新しいAPG分類体系に基づく

◆黒皮かぼちゃ <ウリ科>

 1907(明治40)年、大縮緬(ちりめん)種が栽培されたのが始まり。その後品種改良を重ね、大正10年には半促成栽培が普及、翌年には5月にしか出荷できなかったものが、4月上旬に出荷できるようになり、商品価値が高まった。1924(大正13)年、千葉県佐倉から黒皮種を導入し、品質、収量ともに向上、全国一の「黒皮かぼちゃ」産地となった。

 宮崎の「黒皮かぼちゃ」は、「日向かぼちゃ」ともいい、品種としては宮崎早生1号、2号がある。ハウス促成栽培が宮崎早生1号、ハウス後作が宮崎早生2号で、宮崎市生目地区を中心に栽培し、12月から6月まで出荷される。

 「黒皮かぼちゃ」は腰高で肩張りが強く、やや大きめで凸凹が多く、濃黒緑色で見た目にも美しく、果肉も厚く、西洋かぼちゃに比べて独特の風味がある。高級料理用として用いられる。

 黒皮の特徴ある外観、ゴツゴツとして、表面に深い溝のある形を菊の花に見立て、「菊かぼちゃ」とも呼ばれる。

 肉質は粘質で、ネットリとして煮くずれしにくい。中の黄色、外皮の緑色が冴えてコントラストが美しい。ほどよい甘さであることが特徴。

・エネルギー49kcal、βカロテン700μg、ビタミンC16mg、E2.1mg(日本かぼちゃ)。
・西洋かぼちゃの91kcalに比べると、エネルギーや炭水化物が約半分。水分が多く粘質。

 


黒皮かぼちゃ


黒皮かぼちゃ(断面)


黒皮かぼちゃのサラダ

 

 煮る、揚げる、いためるなど、ほとんど加熱して食べる。日本かぼちゃはだしをたっぷり含ませた煮ものとして食べることが多い。

 「黒皮かぼちゃ」は甘みが少なく、淡白な味わい。ほどよい粘りがあり、形くずれしにくい。また、火通りがよく、だしがしみ込みやすいため、肉、魚などいろいろな食材と合わせてもなじみやすい。そぼろあんかけ、えびと煮るなどがおなじみ。

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