タイトル<野菜の学校>
● 2011年度「野菜の学校」 ●
- 2012年2月授業のレポート -
【当日の宮崎野菜とその料理】
※植物分類表記は、系統発生解析による新しいAPG分類体系に基づく

◆京いも(たけのこいも) <サトイモ科>

 小林市東方、国富町、西都市などで栽培されており、東京の90%、大阪の98%が宮崎産。京都の精進料理においしいサトイモが使われていたことから、これにあやかったとか、京都の精進料理に使われたから名付けられたともいわれる。地上に頭を出している形が、たけのこによく似ていることから「たけのこいも」とも呼ばれる。

 地元では「台湾いも」と呼ばれ、明治時代に台湾より導入されたらしい。

 最晩生種の親芋用品種で、草丈は2mを超すものもある。葉柄は濃緑色で、いもは長さ40〜60cm、重さが1kgを超すものもある。収穫後に畑に幅150cm、深さ40cmの溝を掘り、1本ずつ逆さまにして伏せ込み、収穫後に15日以上土の中に貯蔵することで追熟し、完熟させる。

 身は粉質でしまりがよく、煮くずれしないのが特徴。皮をむきやいので、料理にはとても便利。

・親芋用の品種「やつがしら」の成分はエネルギー97kcal、カリウム630mg、食物繊維が2.8g/100g。
・ぬめりはムチンとガラクタンで、胃腸の働きを助け、粘膜を丈夫にして胃壁を守る。また、便通もよくなる。


京いも


京いもの煮揚げ

 

 調理は、煮物やおでん、田楽、天ぷらなどの和食、つぶしてコロッケやグラタンなどに。

 ぬめりは煮汁の粘度を高め、泡立ちやふきこぼれ、味のしみこみを妨げる原因になる。そのため塩でよくもんで、水洗いしてから煮る、いったん吹きこぼしてから煮るなど、下処理をしてから使う場合が多い。

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