トウ立ちを摘んでおひたしやあえ物にする。かき菜に比べて収穫が1〜2か月遅い。また、かき菜の方が茎が細く、甘みが少ない。のらぼう菜は収穫後、葉がしおれやすく輸送に向かないため、都市の市場には並びにくい。
幕府直轄の五日市市が栽培の始まり。明和4年(1767)9月、幕府の関東郡代伊奈備前守ただおき忠宥により、江戸近郊の天領の村々に配付された「じゃば闍婆な菜」の種が、その後いつのまにか「のらぼう」と名を変えて、埼玉県飯能市、東京都青梅市を中心とした東京西郊の山麓地帯に伝わった。野良に生えていた=野良生え(のらばえ)→野良ぼえ(のらぼえ)→野良ぼー(のらぼー)→野良ぼう(のらぼう)になまったのではといわれている。東京都あきる野市日の出町小中野の子生神社には「野良坊菜の碑」がある。幕府が菜種油増産のために配布したのではないかという説もある。
ビタミンA、C、鉄分、食物繊維が豊富。やわらかい花茎にはほのかな甘味があり、葉はほろ苦いが、全体的に苦味やクセがない。
調理法は、おひたし、ごまあえ、からしあえ、パスタ、サラダ、みそ汁の実など。油ともよく合うので、いためたり、クリーム煮にしてもよい。
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