都市化の中で、生産は葛飾区高砂に移った。種を守ってきた鈴木藤一さんは、軸(葉柄)が真白でやわらかい株を残すため、チョウによる自然交配の防止、冬の太陽熱を上手に取り入れて旬のおいしさを育てるヨシズ栽培の技など、多くの努力と工夫で栽培を続けている。
JA東京スマイル、JA東京中央会が支援しているほか、旧産地の亀戸周辺では、商店街の若手経営者グループが「亀戸だいこんを地域のシンボルに」と、小学校での栽培体験、亀戸だいこんにちなむお菓子作りなどを行ない、また亀戸だいこんをメニューに取り入れた料亭もある。
ビタミンCは普通のだいこんの2倍とのこと。だいこん葉は根より栄養分が多く、特にカルシウムは260mg/100gと多く含まれている。
調理法は、葉、根ごと浅漬け。江戸の料理屋で出る香の物として「このだいこんに勝るものはない」といわれた。間引きした葉だいこんもおいしい。
「亀戸升本」という料亭には、亀戸だいこんあさり鍋、麦菜飯、野菜スティック、たまり漬けなどのメニューがある。
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