タイトル<野菜の学校>
● 2012年度「野菜の学校」 ●
- 2012年4月授業のレポート -
【当日の江戸東京野菜とその料理】
※植物分類表記は、系統発生解析による新しいAPG分類体系に基づく

◆滝野川ごぼう <キク科>

 ごぼうは地中海沿岸 西アジア原産。日本に入ってきたのは縄文時代、平安時代など諸説ある。滝野川ごぼうは、元禄年間(1688〜1704年)に現在の北区、北豊島郡滝野川村で栽培されていた伝統野菜。香り高く柔らかで、味が濃く、風味がよい。長さが70cmから1m近くにもなる。現在、国内で生産されるごぼうの多くの品種の元祖といわれている。

 ごぼうは、ヨーロッパや中国では古くから薬用として用いられてきたが、食用作物として栽培してきたのは日本のみ。台湾や朝鮮半島などで食用にされているのは、日本人が伝えたものである。

 ごぼうが含む水溶性食物繊維のイヌリンは、腸内の糖分の吸収をたくましくし、血糖値の急激な上昇を防ぐ働きがある。またプロバイオティクスとして腸内細菌の成長を促し、整腸効果がある。不溶性食物繊維のリグニンは腸内の残留物を排出したり、発ガン性物質を吸着し、大腸ガンの予防効果がある。

 独特の歯触り、香り、風味がある。アクはあるが、水につけすぎると香りも味も抜けてしまうので、短時間でよい。

 調理法としては、きんぴら、煮もの、鍋ものなどの和食の他、スープ、サラダ、チップスなど、炒めもの、煮もの、焼きものに。


滝野川ごぼう

滝野川ごぼうととり肉の煮もの
 
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