NPO法人野菜と文化のフォーラムが主催する「食べておいしさを知る野菜の学校」(以下「野菜の学校」)は、昨期、伝統野菜・地方野菜をテーマに講座を設け、おかげさまで大変好評を博しました。引き続き来期(2011年4月〜翌年3月)も、昨期に取り上げられなかった地域の伝統野菜・地方野菜をテーマに展開します。
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伝統野菜といえば、京都や加賀がよく知られていますが、全国各地で伝統野菜を見直す動きが活発になっています。地産地消が推奨され、産地の野菜直売所が活況を呈していることも後押ししているでしょうが、その地方独特の食文化が見直され、注目されてきているという背景もあるようです。
野菜は本来、その地の人々が長い時間をかけて伝えてきた「地域の文化財」という側面をもっています。そのことを、昨期1年間各地の伝統野菜に出合い、味わう中で、心から実感することができました。伝統野菜はその地・その時期にしか食べられないからこそ貴重であり、人々の知恵が働き、さまざまな物語をもっていることが多いものです。再び脚光を浴び、再評価されることで、新しい食文化が育つ可能性が広がると確信します。
とはいえ、伝統野菜の生産・流通に関してはまだまだ不安定な面が多く、各地でさまざまな試行錯誤が続けられています。その情報交換も、もっと活発にしていきたいと思います。
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「野菜の学校」では、毎月、一地方の伝統野菜をテーマに、他地方産やハイブリッド種との食べくらべも折り込みながら、引き続き古くて新しい野菜の世界を探っていきたいと考えます。どうぞふるってご参加ください。
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