タイトル<野菜の学校>
● 2012年度「野菜の学校」 ●
- 2012年4月授業のレポート -
【食べくらべ後の主な感想・意見】
  • 軸から葉まで均等に食べくらべてみた。茎からかじるとのらぼう菜が甘い。とはいえ、のらぼう菜は意見が分かれ、軸の太さで違うという意見も。菜花は食べ慣れている味で、つぼみにエグみがあった。かき菜はやわらかく、甘く、軸はやや筋っぽいが、ずっとかんでいるとぬめりを感じた。

  • 伝統野菜を勉強すればするほど足りないのがわかる。3種を食べくらべると、一番甘さがあるのはのらぼう菜で、かき菜、菜花の順。かき菜は筋っぽさもあるが、ぬめりも感じる。歯切れがいいのは菜花で、一般受けするのがわかる。

  • のらぼう菜は少し古いのか、味が淡く食べにくく、甘さもなかった。本来は芯にしっかり甘みがあるはず。菜の花はオーソドックスで、苦みもあり、食べやすかった。かき菜は風味が弱く、青臭さがあり、固め。のらぼう菜とかき菜は味が近い印象。

    ★発表を聞いて、山本氏からアブラナ科の菜花について、少しお話がありました。
    「のらぼう菜とかき菜は繊維質だが、かき菜は繊維が太く、のらぼう菜は繊維の数が多い。今日ののらぼう菜は細く、刺激が強かった。食べくらべた3種の大きな違いは、実は花が咲いていたかどうかで、1:2で、菜花と他の2種は違います。
     日本には、大根やかぶをはじめ、冬から春にかけてアブラナ科の野菜が多く、みんな同じような葉の形をしています。植物は一般に抽苔=トウが立つと固くなって食べられないのですが、アブラナ科の場合はおいしく食べられます。千葉の菜花は抽苔したもので、かき菜は抽苔の少し前。味が違って当然です。
     アブラナ科の植物は異種間交雑が簡単で、白菜と小松菜を掛け合わせたり、菜花のバリエーションもたくさんあります。でも、のらぼう菜は異種間交雑しにくい品種だったため、これまで作り続けてこられたわけです。
     アブラナ科に独特のイソチオシアネートの辛味は花が咲くときに変わるので、生で食べくらべればよりわかりやすかったでしょう」。

    ★野菜の調達担当のスタッフ・高橋芳江さんから、少し農家さんの弁護も。のらぼう菜は確かにもう終わりの時期で、それでも畑でもいで食べるととても甘かったとか。今日届いたら、しんなりして甘みも少ない。それだけ鮮度が影響することもわかりました。

>>> 2012年4月「江戸東京」レポートトップに戻る