第3回 野菜の品種別調理特性検討会(ダイコン)報告-5●
【開催に当たって】
名誉理事長 鈴木 康司
 内容についていろいろご意見・ご批判もあろうかと思います。今回の検討会で第3回になりました。過去第1、2回で、提供をお願いする会社に「該当品種はどういう料理にむいているか」というアンケートをいただいたものを基に推奨の調理をしたら、どの品種もとてもすばらしく、品種比較することが大変難しい事が解りました。また、いただいた品種を調理適性の用途別に集計しますと、実に70%という偏りからもうかがえ、まだ品種改良面では調理特性までには開発されてなく漠然と漬け物(浅漬け・たくあん)用、おでん・煮炊き用、生食(おろし)用にどうかと提案するにとどまっているようです。

 大根の消費をより一層拡大させるためには、和風の材料を和風にとどまらず、中華風、洋食風、韓国風にアレンジした場合に、カラフルで多様な可能性を持っていることが解かりました。生食では好まれない苦み、甘み、渋み或いは肉質(硬さ)などいろいろな特性が、調理すると生食では得られなかった絶妙な食感が生まれ、これは新しい発見でありました。 

 どうしてそうなるのか、これは分析してもデータに表れない微妙なものがあり、野菜の(すなわち品種・栽培法・環境の違いで)おいしさの評価にはまだまだ未知の分野があり消費拡大に貢献できると感じられました。(・・・・野菜のおいしさ検討会の結果から)

 今回の大根は、秋冬に十分に肥大し少し寒さに当たって一番品質が優れる適期(旬)であります。この時期に一番出荷量の多い三浦産のもので検討すべく計画していましたが、折角の機会なので、急きょ11月に入ってから、各社にご提供をお願いしたところ、上記のようにたくさんの品種を集めることができ、多様な調理で試食検討することにしました。

 「青首だいこん」として多くの品種を提供いただきましたが、新倉先生のご講義によれば、「片親が多様な青首宮重系との交雑種(F1品種)」となっており、おそらくこれらは遺伝的に近似しており、比較は非常に困難であると推測しました。

 検討会開催に先立ちスタッフで数回の調理検討会をもち、全て適正な調理ができたと確信は持てませんが、できるだけ品種特性に基づいた調理法で試食していただく事にしました。ご提供いただいた品種の他にも新品種・珍しい品種も展示してありますので是非ご覧になってください。

ダイコンの品種別調理特性検討会報告
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