NPO法人野菜と文化のフォーラムが主催する「食べておいしさを知る野菜の学校」(以下「野菜の学校」)は、今期(2010年4月〜翌年3月)、伝統野菜・地方野菜をテーマに展開しています。
伝統野菜といえば、京都や加賀がよく知られていますが、近年、山形、新潟、大阪、東京、沖縄等々、全国各地で伝統野菜を見直す動きが活発になってきました。地産地消が推奨され、産地の野菜直売所が活況を呈していることも後押ししているでしょうが、その地方独特の食文化が見直され、注目されてきているという背景もあるようです。周年、どこでも同じような野菜が出回るようになって久しく、そのために払われた各分野の努力は多大なものですが、野菜は本来、その地の人々が長い時間をかけて伝えてきた「地域の文化財」という側面をもっています。
伝統野菜が再び脚光を浴び、再評価されることで新しい食文化が育つ可能性が広がるのではないでしょうか。伝統野菜はその地・その時期にしか食べられないからこそ貴重であり、人々の知恵が働き、さまざまな物語をもっていることも多いものです。
「野菜の学校」では、毎月、一地方の伝統野菜をテーマに、他地方産やハイブリッド種などとの食べくらべも折り込みながら、古くて新しい野菜の世界を探っていきます。
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